2006年5月18日掲載記事

精神障害者「交流の拠点」へ第一歩

施設整備目標にフリースペースを開始 「地域の理解」へ力注ぐ

 都筑区が5月9日、精神障害者の交流拠点となるフリースペース事業を開始した。週2回、夜間に新栄地域ケアプラザを利用しながら地域との交流を図っていく。関係機関や地域団体で組織される委員会(坂田信子委員長)が運営にあたる。

 「精神障害者は偏見で見られがち」と語るのは福祉保健センターの山口さん。

 世間を騒がせる事件が起きるたび、精神病院の通院歴や精神鑑定の是非がクローズアップされる。「怖い」「理解できない」。精神障害につきまとう“負”のイメージは、現代にあってなお当事者・家族たちを苦しめている。

 「(偏見で)社会に溶けこめない、家族も世間とのつながりがなくなるという悪循環。ひとつの病気、まったく怖いものではないことを理解してほしい」

 フリースペースはひとつの始まり。委員会では精神障害者の活動拠点となる施設整備を目標に、地域イベントなどへ積極的に参加していきたいとしている。
(タウンニュース)

性同一性障害:小2「女児」として学校生活 兵庫

 兵庫県内で暮らす小学校2年生の男児(7)が、心と体の性が一致しない「性同一性障害」(GID)と診断され、昨年の入学時から女児として通学していることが18日、分かった。地元の教育委員会が保護者側の意向を受け入れ、女児として学校生活を送っている。04年7月施行の特例法で、成人した性同一性障害者が戸籍の性別を変更することが可能になったが、低学年の児童が公的な場で障害を認められる例は全国的に珍しい。

 会見した教育委員会によると、男児は幼少期からスカートやぬいぐるみが好きという兆候が見られた。5歳の時、保護者が兄と同じ少年野球教室に入れようとしたところ、嫌がって食事をとらない日が続いたという。

 母親が近くの病院に相談したところ、「男女を区別せず、本人が望むようにさせてみては」とアドバイスされたため、通っていた保育園に女児の服装で通わせ、プールでもビキニタイプの水着を着せると元気を取り戻したという。

 小学校に女児として受け入れてもらおうと、大阪の病院で専門的な検査を行い、GIDの診断書を得て学校に提出。教委、学校関係者と2度面談した後、女児としての受け入れが決まった。入学後、出席簿は女児の欄に入れられ、トイレや身体測定も女児として過ごしている。

 教委によると、入学させる際、教職員全員には説明したが、文部科学省、県教委には報告しておらず、PTAにも説明していないため、実際の性に気付いていないクラスメートが多いのではないかという。

 教委は「今後、体の性に戻ることがあったとしても、対応出来るよう態勢を整えたい」としている。

 性同一性障害学会理事長の大島俊之・神戸学院大学法科大学院教授は「学会で大学生や高校生の事例の報告はあったが、小学生のケースが公になったのは初めてではないか。体の性別よりも、心の性別に応じた今回の方針は良い対応だと思う。さらに体の男性化が進む小学校高学年になるまでに、周りの児童の理解力に応じた説明をすることも今後の課題だ」と話している。

毎日新聞 2006年5月18日 11時34分 (最終更新時間 5月18日 12時30分)



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