2006年5月12日掲載記事

DV:医療機関27%が患者診察−−県総合対策センター調査結果 /佐賀

 ◇警察への通報認識、医療従事者の3割以上が「知らない」
 県DV(ドメスティック・バイオレンス)総合対策センターは、医療機関の4分の1がDVとみられる患者を診察した経験があるとの調査結果をまとめた。潜在的な被害はさらに多いとみられるほか、DVを発見した医療従事者が警察などに通報できることを3割以上が知らない実態も明らかになった。【上田泰嗣】
 調査は医療機関でのDVへの対応などの実態を明らかにし、認識を広めるために実施。昨年夏に各診療科ごとに計796カ所に調査票を配布し、396票を回収した(回収率49・7%)。
 DV被害者を診療した経験については、回答した医療機関のうち、106カ所(26・8%)が「DV被害者、あるいは被害が疑われる人に接したことがある」と答えた。診療科は内科が32カ所で最も多かった。診察した患者数は04年1年間で、「1人」が最多で38カ所▽「2人」30カ所▽「3人」18カ所――だった。「10人」と回答した医療機関も1カ所あった。
 来院理由をめぐる設問(複数回答可)では、身体的なものが目立ち、(1)「打撲」84カ所(79・2%)(2)「骨折」13カ所(12・3%)(3)「切り傷」11カ所(10・4%)――の順。精神症状では、(1)「不安」47カ所(44・3%)(2)「うつ病症状」21カ所(19・8%)(3)「不眠」15カ所(14・2%)――と続いた。
 暴力の内容を聞く設問では、身体的暴力があったとする回答が多く、9割(95カ所)の医療機関が「顔や体を殴られたりけられたりしていた」と答えた。精神的暴力は、「言葉による暴力や脅迫」が37カ所で見つかった。性的暴力は1%台だったが、背景には、被害者が訴えにくい状況があるとみられる。
 DVの通報については、「医療従事者が通報できることを知っている」と答えたのは250カ所(63・1%)と約6割にとどまり、「知らない」としたのが約3割の136カ所(34・3%)に上った。また、実際に通報したことがある医療機関はわずか7カ所(1・8%)だった。
 同センターは「間違った通報先を答えた医療機関もあり、周知・広報が早急に必要。DVの早期発見には医療関係者が認識を深める必要がある」と危機感を持つ。今後は、医療関係者向けマニュアルの作成などに取り組むという。
毎日新聞) - 5月11日13時2分更新

全国親の会新潟大会:東京のNPOが主催、親子の問題講演など−−来月18日 /新潟

 不登校や引きこもり、家庭内暴力など、子育ての問題に悩む父母を支えるNPO「SEPY(セピィ)倶楽部」(東京都豊島区)は来月18日午前10時半〜午後4時15分、新潟市万代島の朱鷺(とき)メッセで「全国親の会新潟大会」を開催する。
 同倶楽部は、カウンセリング機関「東京心理教育研究所」で、子供の心の問題について相談した親たちで構成するボランティア団体。悩みを共有し、互いの不安を取り除こうと意見交換会などの活動を続けている。地方都市では若い親たちが悩みを抱えたまま孤立しがちな現状があるため、全国を巡りながら同様の大会を年数回開催している。
 県内で初の開催となる会場では、同研究所長の金盛浦子臨床心理士らが講師を務め、親子の問題を克服した体験談の発表などが行われる。参加無料。問い合わせは同倶楽部(電話03・3942・5006、火〜土曜の午前10時半から午後3時)まで。【五十嵐和大】
毎日新聞) - 5月11日11時2分更新

学校長メンタルヘルス研修 宮城県教委、本年度スタート

 宮城県教委は本年度から、県内市町村教委などと連携し、教職員のメンタルヘルス向上を目指し、学校長など管理職を対象とした研修会を始める。県内公立学校では、長期病気休職者のうち半数以上は、精神面の不調が原因とされる。管理職研修を徹底して、仕事の悩みを相談しやすい「風通しの良い教育現場」にしたい考えだ。初回は16日、仙台市青葉区の県仙台合同庁舎で開く。

 本年度は市町村立学校長、県立学校長、社会教育施設所長など800人を対象に27回開催。管理職同士がグループを組むなどして、部下の悩みに気付くコツや相談しやすい雰囲気づくり、悩みの聞き出し方などについて実践形式で学ぶ。

 来年度以降は、教頭や県立学校事務長、社会教育施設次長など職場トップ以外にも研修を拡大させていく方針だ。

 県内公立学校の長期病気休職者のうち「神経系・精神障害」を理由に挙げた教員は、2001年度には36人(長期休職者全体の53.7%)だったが、05年度では60人(57.7%)と急増しており、職場環境改善は緊急の課題となっている。

 一方、社会経済生産性本部が04年にまとめた「産業人メンタルヘルス白書」によると、産業医や外部カウンセラーなどによるケアよりも、管理監督者によるケアを重視する企業が、精神不調者抑制に効果を挙げていることが報告されている。

 県教委はこうした点を重視して、従来の希望者だけを対象とした研修会から対策を強化。教育現場の管理責任者である県内の校長全員に対して、より実践的な研修を徹底することにした。

 県教委福利課は「上司が変われば、職場の雰囲気もがらりと変わる。民間にならって休職者の抑制に努めていきたい」と話している。

河北新報) - 5月11日7時4分更新



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