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成果着々、自立に道開く 県精障者退院促進支援事業

 精神障害者の社会的自立を目的に、地域での生活を支援する県の精神障害者退院促進支援事業で、入院期間30年の当事者が退院するなど成果を上げている。13年間入院生活を送り、退院した30代の男性は「退院しておしゃれをするようになった。毎日デイケアに通っている」と笑顔で話した。
 同事業は2004年にスタート。支援員、作業所、社会復帰施設関係者などで構成する自立促進支援協議会が対象者を決定し、個別に自立支援メニューを作成。施設関係者や精神保健福祉士、自立支援員ら多くの人が地域で対象者を支援している。対象者は支援員と話し合いながら、買い物や公共交通の乗り方などにも次第に慣れている。宿泊施設のあるグループホーム体験や作業所通所などを行い、住居確保など退院後も支援する。
 これまでの事業利用者は10人で、うち7人が退院した。1人が中止し、現在は2人が利用している。
 当事者は退院後、少しずつ行動範囲が広がり、洗濯や母親の仕事を手伝うなど、社会参加に前向きな姿勢を見せている。70代の母親は「家の中が明るくなった。もっと早く退院させればよかったと思うが、きっかけがなかった」と話し「少しずついろんなことを教え、できることを増やしていきたい」と力を込めた。
 一方で課題も多い。対象者は10人以上だが、4月現在の新規希望者は2人。家族の高齢化、住居確保の困難、障害者自立支援法による福祉サービス利用料原則1割負担など、当事者が退院に消極的になる、さまざまな要因が背景にある。
 協議会の比嘉俊江精神保健福祉士は「病院が安心で、何かあったらと考えがちだが、家族にも理解してもらい、多くの人に可能性を広げてほしい」と話している。川崎裕子自立支援員は「具体例を重ね多くの人の理解を得て、活動が広がってほしい」と期待している。
琉球新報



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